

「下痢」と「便秘」の概念にはさまざまな要素が含まれます。一般に下痢は便性状をもって、そして便秘は排便回数をもって表現されることが多いですが、この2つの概念には必ずしも対極をなすものとは限りません。また、どちらも排便後に不十分な残便感を伴うことがあります。
| ■下痢と便秘の概念に含まれる要素 | ||||
| 要素 | 下痢 | 便秘 | ||
| 排便回数 | 多 ↑ | 少 ↓ | ||
| 便の性状 | 軟便~水様 | 硬便~兎糞便 | ||
| 排便の関連症状 | 急な便意 | 排便困難 | ||
| 極端な症状 | 便失禁、脱水 | 腸閉塞 | ||
| ■ブリストル便性状スケール | ||||
| タイプ | 便の状態 | 一般表現 | ||
| 1 | 木の実のようなコロコロした硬い塊の便 | 兎糞便 | ||
| 2 | 短いソーセージのような塊の便 | 塊便 | ||
| 3 | 表面にひび割れのあるソーセージのような便 | |||
| 4 | 表面がなめらかで柔らかいソーセージ、あるいは蛇のようなとぐろを巻く便 | 普通便 | ||
| 5 | はっきりとした境界のある柔らかい半分固形の便 | 軟便 | ||
| 6 | 境界がほぐれて、ふわふわと柔らかいお粥のような便 | 泥状便 | ||
| 7 | 塊のない水のような便 | 水様便 | ||
便の正常が急に変わったり、急に便秘傾向になった方は要注意!
便秘の原因は下記のように大きく分けて3分類されます。
| ■便秘の原因 | ||||
| 胃結腸反射の低下 | 大腸の収縮(煽動)運動の低下。いわゆる便を送り出す力が弱まっているということです。胃結腸反射をスムーズにおこす為には「きちんとした食生活」、「運動不足の解消」、「野菜(食物繊維)不足の解消」が大事です。 | |||
| 疾病によるもの | 糖尿病や甲状腺の機能が低下する病気は「神経麻痺」を合併し、便秘になります。 | |||
| 薬によるもの | 高血圧のくすり(カルシウム活抗剤)、胃潰瘍のくすり(スクラルファート)、精神科で使う向精神薬はしばしば便秘を起こします。便秘の原因を探り適切な治療をすれば改善する可能性は大いにあると思われます。 | |||
「便秘」は日常的にみられるものですが、大腸癌により腸の内腔が狭くなってしまえば当然便秘になります。出血や便秘を慢性的に抱えている方は大腸の検査をお勧めいたします。
早期発見にて治療をすれば、何も怖いことはありません。また安心して毎日を過ごすことが出来ます。
便秘の種類は下記のように大きく分けて3分類されます。
| ■便秘の種類 | ||||
| 弛緩性便秘 | 最も多いタイプで、大腸の動きの低下が原因です。センナ系刺激性の下剤を飲むことで、ますます動かなくなってしまいます。ひどいものを大腸無力症といいいます。 | |||
| 直腸性便秘 | 便意があるのに排便を怠ったり、排便できず我慢をくり返していると便意が鈍ってくるために直腸内に便がきても便意を感じなくなってしまいます。 | |||
| 痙攣性便秘 | 過敏性大腸症候群などにみられる便秘です。下痢、便秘をくりかえし、お腹が痛くなることが多い。 | |||
| 出口症候群 | 直腸瘤や直腸重責、アニスムスなどの肛門付近のトラブルで便がでないものです。 | |||
排泄がスムーズに行われない状態、つまり腸が汚れた状態では、食べたものが大腸内に長く多くとどまるため、栄養素は吸収されっぱなしになってしまい、太りやすい体質になります。逆に食べてから12~24時間程度で便がスムーズに排泄されるようになると、栄養素の吸収される時間も短くなり、また代謝も上がるので太りにくい体質になります。 また人が病気やがんに至るメカニズムは、まず大腸内に残った宿便が腐敗し、そこから出た有毒ガスが肝臓の疲弊を招き、免疫力や自然治癒能力を低下させます。その結果、生まれついての弱い部位に、病気やがんとして現れてくるのです。 健康を維持するために快適な排便を心がけましょう。
便秘の治療
■便秘薬の使用
| 機械的下剤 | |||
| 浸潤性下剤 | |||
| 便の表面張力を低下させ、便が軟化膨張して排便が容易となりますが単剤では効果が不十分のため刺激性下剤との併用することが多いです。脂溶性ビタミン剤の吸収障害に注意が必要です。 効果発現(時間):8~12時間 |
|||
| 膨張性下剤 | |||
| 多量の水分で膨張し、弛緩性便秘に有効です。習慣性はありませんが、作用は比較的緩徐であるため他薬と併用することが多い薬剤です。最大効果は2~3日連用した後に出現しますが、妊婦では早流産を起こす恐れがあるので注意が必要です。 効果発現(時間):10~24時間 |
|||
| 塩類下剤 | |||
| 習慣性が少なく長期服用も可能な薬剤です。腸管内に水分を吸収させることによって腸内容(便)は軟らかくなり増大し、その刺激により便意をもよおします。大量の水分とともに服用すると効果的です。 効果発現(時間): |
|||
| 糖類下剤 | |||
| 服用すると無変化のまま大腸に達し浸透圧作用で効果を示します。また腸内分解で発生した有機酸により腸蠕動(ぜんどう)が亢進し排便を促します。糖尿病患者には中が必要です。 モニラック |
|||
| 刺激性下剤 | |||
| 大腸刺激性下剤:小腸より吸収され血行性または直接大腸に入り粘膜を刺激することによって排便を促します。
効果発現(時間):8~12時間(座薬は約5時間) |
|||
| 自律神経作用剤 | |||
| a.弛緩性の便秘には副交感神経を刺激する薬剤: ワゴスチグミン、ベサコリン b.痙攣性の便秘には副交感神経を遮断する薬剤: |
|||
| 腸内洗浄剤 | |||
| 大腸検査や腹部手術の前処置として腸管内容物の排除をするとに使用します。
ニフレック、マグコロール |
|||
| 浣腸 | |||
| 浣腸薬には直腸を直接刺激する、グリセリンや、大腸を刺激する作用のあるビサコジルなどが配合されています。腸の蠕動(ぜんどう)運動を高めて排便を促します。激しい腹痛、悪心や嘔(おう)吐、痔出血がある人や、心臓疾患のある人は注意が必要です。
グリセリン、薬用石鹸 |
|||
洗腸療法ってなにかご存知ですか?
最近、便秘で悩んでいる方の中でものは試しにという感覚で浣腸治療(コロンハイドロセラピー)を希望される方もでてきました。
便秘にはいろいろなタイプがあるということは前述しました。確かに、1週間以上も排便の無い状態になりますと、通常の下剤は効かなくなり、浣腸などによって強制的に便を排泄させるしかありません。ただし通常の浣腸は直腸部分の便を出すくらいの効果しかなくそれより奥の腸には液は届きません。
そこで洗腸療法とは肛門にホースを挿入し強制的に下剤や微温湯を注入して腸の中で停滞する「腐敗便」や「宿便」をできる限り取り除き腸の中を洗おうというものです。
しかしこの方法でも液は腸の半分までは到達せず、またすぐに便が溜まってしまうので自己満足の観点が強く実際にきれいになったという印象のみでその有効性は確かなものではないというのが現状です。
また大腸がんなどの腸の狭窄病変がある場合には高圧に浣腸液を肛門から注入することで狭窄部に無理な力が働き腸が破裂(穿孔)してしまう危険があるために危険です。
現在、『美容』という点からも注目されている方法ではありますが高度な便秘が持続している方はまず腸の検査を受けてからでないと大変なことになる恐れがありますので注意が必要です。
Coming soon…