【入院手術におけるALTA療法導入後の痔核療法治療成績と問題点】 |
入院手術におけるALTA療法導入後の痔核療法の治療成績を主に手術手技や合併症から検討しました。
2006年1月〜2009年4月までの当施設における入院痔核関連手術は1246例であり、そのうち術後半年以上経過した1088例(PPH除く)を対象としました。
まず、当院ではベットを有する病院という立場からGoligherV度・W度の痔核を持つ手術希望患者に対し入院を勧めています。
もちろん中には日帰りが可能と考える患者もいますが腰椎麻酔後管理、術後創部洗浄と排便の指導、早期出血、術後疼痛の管理から入院が望ましいとお話します。
そのうえで、ALTA療法を主体に日帰り手術が可能と考えた患者には日帰り手術を選択し分院のアイビー大腸肛門クリニックで施行します。
従来法(結紮切除)を主体として考える場合や高齢者、リスク患者には腰椎麻酔下で
の入院手術(寺田病院 本院)の方針としています。
入院手術での手術法の件数結果です。従来法(結紮切除)を704例、従来法(結紮切除)法+ALTA注射304例、ALTA単独83例でした。
つづいて各手術方法における術後入院日数の比較になりますがALTA注射単独1.87日
結紮切除+ALTA 5.07日、従来法(結紮切除)単独 5.40日という結果になり全体では
5.04日となりました。
開院当初より当院では術後10日、術後7日、術後6日と時代の流れ(患者のニーズ)から術後入院日数の短縮をしてまいりました。
患者の排便や洗浄指導、疼痛コントロールなどの面からしばらく術後6日入院という基本姿勢でやってまいりましたが、ALTA注射導入によりさらに術後入院日数が減ってきたという結果になっております。
ただ、これについてはどの基準で退院を許可するのかという点で諸家で違いますのであくまでも当院での目安ということになります。
入院手術における
ALTA注射使用例における術中有害事象ですが、2007年6月までの導入前期におけるものとして術中の血圧低下・徐脈、下腹部痛が多く認められたのに対し、ALTA溶解液を全症例局所麻酔含有剤使用に切り替えることにより明らかに減少しました。
これは以前からALTAの講習会等でも多くの先生方の発表にもあるように、ALTA注射時やマッサージ時における血中への流入による反射が原因であったと考えています。
現在は、全て局所麻酔含有のALTA使用により術中有害事象は減少しております。
さて、当院でのALTA治療の考え方ですが、たとえば7時の脱肛を呈する内外痔核と3時11時の主痔核が認められた場合、全てALTA注射単独でするのか
脱肛を呈している3時のみ結紮切除をして、あとの2か所をALTA注射する方法
比較的小さな痔核に対しALTA注射をし2か所をLEする方法
そして、すべて結紮切除する方法を腰椎麻酔をかけてからデザインしています。
これは腰椎麻酔により肛門の弛緩(ゆるみ)が得られ、排便痔における脱肛状況や痔核の状況がより鮮明に理解でき、患者様にとってもっともより良い方法を選択できるわけです。
もっとも、痔核は主痔核(3時、7時、11時の痔核)のみでなく副痔核(そのほかの部位の小さな痔核)を伴う場合もあり主要内外痔核に対し結紮切除を行い、副痔核に対しALTAをする方法も施行してまいりました。
しかしこれらは1箇所の内外痔核に対し、結紮切除をするかALTA注射をするかというALTAを手術全体の結紮切除をする際の補助的な方法との解釈でした。
そこで1つの内外痔核に対し
ALTA注射を併用すると考えた場合、術後出血のもっとも原因となる根部の処理を
ALTAにて肛門管内外痔核と肛門管外外痔核に対し
、結紮切除をするという方法が出血や肛門狭窄当の合併症の軽減に関してや根治性に関しても比較的理屈に合った併用と考えており、随時施行していきたいと考えています。
今までの当院入院腰椎麻酔施行の術後合併症では、以上のとおりです。
重篤な合併症は結紮切除+ALTA療法の直腸潰瘍1例のみでした。
それぞれ手術法の比較では図のように術後出血、術後肛門狭窄に関しては結紮切除法単独に分が悪く、再脱肛に関してはALTA療法単独にやや分が悪い結果となりました。
今後は1か所の痔核における併用をも取り入れ手術方法を比較検討していきたいと思います。
痔核治療に関しては様々な選択肢がある。
入院手術に関しては痔核根治の標準術式である結紮切除にALTA療法を併用(補助)することでその各々の長所を生かし患者のニーズに応える選択肢を決定することが望ましいと考える。